ネットワーク管理者の憂鬱な日常

とある組織でネットワーク管理に携わる管理者の憂鬱な日常を書いてみたりするブログ

大学を変えるのは"職員"

今朝のNHK経済羅針盤で、立命館川本八郎理事長のインタビューを見た。
# 実はその前に放送された四国羅針盤という番組の「調査報告ウィニー止まらない情報流出」を見た流れなのだが(苦笑)。

▽ 経済羅針盤4月23日放送記録 - NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/k-rasinban/backnumber/060423.html

川本氏がおっしゃられた話の中に「大学を変えるのは職員」という話題があった。
研究面では教員は専門性を高め、優れた研究成果を出す。
職員は大学の持つ資産(教員)を有効活用し、企業ニーズと大学の資産(研究者)を
結びつけ資金を得ることを目標とする。
# ある意味Stanford的かもしれない。
また教育面では、学部ごとに「立命館○○学部卒業生は××のスキルを有する」と
明確にスキル目標を設定させ、実現に向けた具体的な取り組みを行っているとのこと。

これらをさらに推進するため「大学を一つの方向に束ねることのできる有能な大学職員の育成」
が目下の課題らしい。

自分は一応「会社員」「大学職員」「大学教員」を経験してきた(している)のだが、
この観点からとある大学を見るに、組織として明確な目標がない(作れない)のが問題と考えている。

もちろん漠然とした目標はある。それは「優秀な学生を輩出する」こと・・・
# それ以前に「学生を集める」という目標も存在する。
しかし、具体的に「何が」できれば優秀と言えるのか、如何なるスキルを有する
学生が優秀と言えるのか、という具体的な到達基準が存在しない。

当然ながら、教員は持てる能力以上の指導は困難である。
よって我々は、まず自らが持つスキルを棚卸しし、社会のニーズと照らし合わせて
客観的に自己評価すべきだろう。
その上で我々が現状有する能力で、どのようなスキルを持つ学生を育成することが
できるのか明確化してみたらよいかもしれない。
その後我々が雇用者側だと仮定し、先に決定したスキルを持つ学生が欲しいか否かを
評価すれば、我々のスキルとして何が十分で何が不十分なのかが明確になるかもしれない。

結局、大学全体から見れば、我々教員やそれらで構成される学部も「商品」と言える。
その商品価値を高めるために、我々自身のスキルで何が不十分か、また、
何を伸ばしてより商品価値を高めるか、を客観的に把握し、自身の能力向上に
努める必要がある。

そうなると大学職員には、大学が有する資産(=研究者、学部学科)を活用して
如何に大学の価値を高めるか、というマネジメント能力が求められるのだろう。
これからの大学職員は大学全体の付加価値を高めるため、マネジメントの観点から
研究者に対する助言も必要となる。
このため職員にも明確な目的意識とマネジメントスキルが必要となる。場合によっては
教員と対等に議論するための理論武装も必要だろう。

古き良き時代、自分もそうであったが大学職員は「事務員さん」の一面が大きかったように思う。
しかし今、大学職員は教員の下支えではなく、自らの目的意識と明確な意志によって
大学を牽引していくことが必要なのかもしれない。

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