ネットワーク管理者の憂鬱な日常

とある組織でネットワーク管理に携わる管理者の憂鬱な日常を書いてみたりするブログ

私学の定員割れと二極化

昨日こないな記事を書いたからではないだろうが、地方私学の我々にとっては看過できない
ニュースが報道されている。

▽ 私大定員割れ40% 地域・規模、二極化進む - SankeiWeb
http://www.sankei.co.jp/news/060725/sha025.htm

▽ 私大の定員割れ4割超す - NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060724AT1G2402I24072006.html

詳細は各記事を参照頂くとして、ポイントは、
 大都市圏:定員プラスアルファ確保 ←→ 地方:定員割れ
 大規模校:定員プラスアルファ確保 ←→ 中小規模校:定員割れ
ということらしい。

得てして大都市圏に大規模校が集中し、地方には中小規模校が散在している現状を考えると、
 ・大規模校 = 勝ち組
 ・中小規模校 = 負け組
という図式が容易に導かれる。

志願者減により、今後さらに(大都市圏の)大規模校への入試難易度が下がる状況は
変わらないだろうから、今まで地方の中小規模校へ入学していた志願者が大規模校へ
吸い上げられていくワケだ。

そして、富めるもの(=大規模校)はさらに富み、貧しきもの(=中小規模校)はさらに
貧しくなっていくのだろうか。貧しいだけならまだしも、淘汰されることは想像に難くない。

大学志願者数は減少する一方なのに、
 "新設された大学は8校、新設学部は50学部に上り、今年度の4年制私大の総入学定員は
  約9000人増加。一方、定員削減に踏み切ったのはわずか25校"(NIKKEI NETより)
という背景も、状況の悪化に拍車をかけている。

それにしても、大学業界には「縮小」を前提とした方針立案は見あたらない。
定員割れによる先行き不透明な現状を打破するための戦略は、基本的に「拡大」による
問題解決である。
すなわち「新学部設置」や「改組」による集客力向上により、定員充足を目指す考え方。

企業なら、ある分野への「新規参入」と「撤退」は、状況に応じて臨機応変に決定される
経営判断と思うのだが、こと大学においては新規参入こそすれ、純粋な「撤退」はあまり聞かない。
改組により看板を掛け替えるという、表面上の撤退はあるが・・・。

もちろん「拡大方針」に反対するものではないが、攻めに出るためには十分な市場調査と
検討が必要と思うのだが、意味のない根拠を元に方針決定されることも少なくないと思われる。
# うちの会社じゃないスよ(苦笑)。

今まで大学業界は「市場の縮小」という経験を経ていない。
だから「撤退」や「規模縮小」という解決策が身をもって立案できないのかもしれない。

"経営相談に主体的に乗り出し1校もつぶれないよう努力したい"(Sankei Webより)
との私学事業団の談話もあるが、もうここ数年でM&Aを含めた淘汰が始まると思われる。

うちの会社の生き残りも当然ながら、個人的にも研究者(もしくはエンジニア)として
淘汰されないよう、不断の努力を続けねばならない。

# 大型運転免許だけじゃなく、二種免許も考えよう。エアロクイーンにも乗れるしw。

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