「実験をする前に論文を書け」らしい・・・
とあるWebサイトから、日本経済新聞2005年3月13日石坂公成氏の「私の履歴書」という
記事に辿り着いた。
図書館に問い合わせたところ当該日の日経新聞が保存されており、幸いにも上記記事を
読むことができた。
個人的に感銘を受けた部分も多く、後に読み返すためにも可能な限り引用したい。
※この記事引用に権利的問題が生じる場合、適切な処置を行いたいので是非ご一報頂きたい。
キャルテックに行って二ヶ月ほどたってデータを見せたところ、先生は「これはおもしろい
データだから論文を書け。ただし、小説を書くつもりでまとめるように。論文は小説のように
おもしろいものでなかったら誰も読んでくれない」と言う。
※中略
「実験をする前に論文を書け」と言われたことにも驚いた。
「冗談でしょう」と言ったら、「いや冗談ではない。ランドシュタイナーはいつでも数値の
入っていない論文を書いてから実験を始めた。今の君ならできる」と答えた。
※中略
実験を始める前に論文を書けばどのくらい材料が必要かもはっきりするし、予想に反した
結果が出た時でも、それが間違いかどうかがわかるような実験計画をたてることができる。
したがって予想に反する結果が出た時でも、その実験は無駄にはならない。これは最も
効率のよい実験の仕方である。キャンベル先生は私にプロの研究者が競争に勝つ方法を
教えてくれた。
「小説のように・・・」は別にして、「実験前に論文を書く」に関して感銘を受けた。
今までは(と言うほど論文を書いていないが(泣))基本的に以下のスキームで
研究を進めていた。
テーマ着想 → 位置付け → 試作開発 → 実験 → 評価 → 論文作成
この方式の問題点は、当初の思考段階で得た位置付けの説明や発想が、論文作成の
段階では忘れられてしまうことにある。
もちろん、思考段階で得られた発想は研究ノート等に記録されているのだが、
実際に論文を書く時には、まず研究ノートに残したメモ内容を詳細に思い出すこと
から始まってしまう。これでは効率が悪い。
思考段階で得たアイデアは、どうせ研究ノートに残すのだから、いっそのこと論文品質
まで高め、1〜4章あたりに相当する部分を書き上げてしまえばいい。
もちろん、最終的にこの部分を書き直す場合もあるだろうけども、前半〜中盤までを
先に固めてしまうことで、最終的な論文完成は、実験結果の評価を加えればできあがりとなる。
とまぁ、こんなに上手くいけば苦労はしないのだろうけども、論文生産ペースを
上げる手段の一つとしては有効ではないか。まずは実践してみようと思う。
記事に辿り着いた。
図書館に問い合わせたところ当該日の日経新聞が保存されており、幸いにも上記記事を
読むことができた。
個人的に感銘を受けた部分も多く、後に読み返すためにも可能な限り引用したい。
※この記事引用に権利的問題が生じる場合、適切な処置を行いたいので是非ご一報頂きたい。
キャルテックに行って二ヶ月ほどたってデータを見せたところ、先生は「これはおもしろい
データだから論文を書け。ただし、小説を書くつもりでまとめるように。論文は小説のように
おもしろいものでなかったら誰も読んでくれない」と言う。
※中略
「実験をする前に論文を書け」と言われたことにも驚いた。
「冗談でしょう」と言ったら、「いや冗談ではない。ランドシュタイナーはいつでも数値の
入っていない論文を書いてから実験を始めた。今の君ならできる」と答えた。
※中略
実験を始める前に論文を書けばどのくらい材料が必要かもはっきりするし、予想に反した
結果が出た時でも、それが間違いかどうかがわかるような実験計画をたてることができる。
したがって予想に反する結果が出た時でも、その実験は無駄にはならない。これは最も
効率のよい実験の仕方である。キャンベル先生は私にプロの研究者が競争に勝つ方法を
教えてくれた。
「小説のように・・・」は別にして、「実験前に論文を書く」に関して感銘を受けた。
今までは(と言うほど論文を書いていないが(泣))基本的に以下のスキームで
研究を進めていた。
テーマ着想 → 位置付け → 試作開発 → 実験 → 評価 → 論文作成
この方式の問題点は、当初の思考段階で得た位置付けの説明や発想が、論文作成の
段階では忘れられてしまうことにある。
もちろん、思考段階で得られた発想は研究ノート等に記録されているのだが、
実際に論文を書く時には、まず研究ノートに残したメモ内容を詳細に思い出すこと
から始まってしまう。これでは効率が悪い。
思考段階で得たアイデアは、どうせ研究ノートに残すのだから、いっそのこと論文品質
まで高め、1〜4章あたりに相当する部分を書き上げてしまえばいい。
もちろん、最終的にこの部分を書き直す場合もあるだろうけども、前半〜中盤までを
先に固めてしまうことで、最終的な論文完成は、実験結果の評価を加えればできあがりとなる。
とまぁ、こんなに上手くいけば苦労はしないのだろうけども、論文生産ペースを
上げる手段の一つとしては有効ではないか。まずは実践してみようと思う。