ネットワーク管理者の憂鬱な日常

とある組織でネットワーク管理に携わる管理者の憂鬱な日常を書いてみたりするブログ

大学"組織"の適応能力

部屋を整理していると、地元紙から切り抜いた「日本診断」という記事が出てきた。
恐らく共同通信社からの配信記事だと思うが、数ヶ月前に切り抜いた記憶がある。
これに、「大学の二極化鮮明に」というテーマで、阪南大の山本武信教授が寄稿されている。
少し長くなるが、可能な限り引用したい。
※引用が不適切であればご指摘下さい。対処いたします。

=== ここから
(前略)
2006年度の大学入試、中堅以下の学校で志願者が少子化に伴う自然減以上に落ち込み、
安定的な上位校との二極化がより鮮明になった。
(略)
中堅校以下では今春、志願者数が前年比20-40%前後ダウンしたところが少なくない。
自然減以上の目減り分は、上位校が吸収した。
受験生からすれば、1ランク、2ランク上の大学に入りやすくなったわけである。
日本の"大学市場"は戦後、18歳人口の増大と進学率の上昇で拡大期が続いた。
バブル経済の崩壊後も少子化時代の到来が予想されながら、政府の規制緩和により
大学は増え続けた。18歳人口は過去10年で約40万人減って130万人強となったのに対し、
4年制大学はこの間に130校増加した。
(略)
市場が縮小期に入ったとき、企業はリストラで対応する。
バブル崩壊後の「失われた十年」の間、企業は事業縮小や人員整理を余儀なくされた。
その結果、雇用が減って労働がきつくなり、賃金も下がった。
産業界より10年近く遅れて本格的なデフレ期に突入したのが"大学業界"である。
大学の危機が根深いのは、入学定員や教員の削減といったリストラ策を講じにくい点にある。
大学は企業のようなトップダウン方式ではなく、ボトムアップの教授会自治を尊重し、
自らの痛みを回避しようとする傾向が強い。
(略)
このため「ダウンサイジングによる共生」を見据えた改革のグランドデザインを描けず、
学部・学科の新増設というバブル期の手法で危機を乗り切ろうとする大学が目立つ。
上位校ならまだしも、中堅校以下が同じようにやっている。
こうして縮小するパイを食い合い、下位校から共倒れする悪循環になる。
市場原理の波にのまれ、「不倒神話」が崩れ始めた今、大学が企業から縮小均衡や
危機管理のノウハウを学ぶ時代になった。
=== ここまで

改めて読み返してみて、明確なご指摘。素直に納得。

もちろん、18歳人口減少や、文科省の政策云々という背景もあるが、
結局、今、大学という「組織」の適応能力を問われているような気がしてならない。
大学ガバナンスの問題もあるだろうけど、法人とか教授会とか関係なく、
組織としての大学が環境の変化にどれだけ適応できるかなんだろうな。
まさに環境適応能力というか、自己変革能力が試されてる。

太古の昔、巨大化する一方の恐竜は環境変化に耐えられず絶滅し、
変化に対応できた哺乳類は、自らの体を進化させ生き残った。

さて、うちの会社はどちらだろう。もちろん哺乳類でありたいけど・・・。

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